短歌まとめ2024

沈黙が染み込んでいる硝子窓濡れた路面に伸びる赤色

みかちゃんはつぐはるのとこいてあげてりんごんなってもぼくがでるから

君と見た孤独な空に打ち上げたロケット花火の火薬の香り

通話終えある日のことを思い出すじっと見つめる灰色の空

枇杷の実を求めて僕は木にのぼる目があったのは茶色い毛虫

河川敷飾り持ち寄り火を点ける竹の葉揺れて煙はのぼる

背の高いスタンドライトに猫のぼるそれをそのまま隣の部屋へ

幼少の頃に遊んだ公園の遊具にのぼると意外と高い

洪水の後の静けさ穏やかさ水面描くシスレーの筆

灰色の大きな部屋に椅子ひとつ流しの食器は洗わずに寝る

雨上がり木の葉の上に水滴光る絵の具をしぼり筆を手に取る

雨のあと鍬を片手に畑で過ごすどこから来たの花びら一枚

こんなとこにも生えていたのか桜の木いつもの道の違った景色

長靴に踏まれたあとの水溜り薄桃色の花動きおり

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