太田潤個展『風の色』に寄せて 詩と美術館オーナー田中伸治

 太田さんの絵に私は個人的な〈望郷〉などではない、どこか始原的な人間の〈郷愁〉のようなものを感じることがある。そこには作者の決して声高ではないこころの〈自然〉があり、その場所には、優しくあたたかな、しかしちょっとだけさびしい風が吹いている。彼は絵を描き、文章を練り、エッセイも、小説も、短歌も作って、自らで素敵な本も造り(製本)、更には全てオリジナルでアニメまで作る。彼と初めて会った時、先ず、その真摯な姿勢と誠実さに大変好感を持ったものだが、〈不思議な魅力〉を持った人だとも思った。彼はその着想から現在様々なものに手を染めているが、散漫や曖昧は何処にもない。〈何かをしたい〉というあらゆる方向性を持ちながら、その中心に風のようにポツンと立っている風情がある。そこがとても佳い。その姿に〈濁り〉や〈寂寥〉、〈気負い〉はない。彼のまなざしは、何に対してもいつも鎮かだ。それは、彼に深いところからくるゆたかな〈自足〉があるからだと思う。


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 太田潤 個展『風の色』

 会期:2026年5月7日(木)〜24日(日)

 会場:ギャラリー詩と美術館(岐阜県中津川市)

入場無料、併設のカフェで美味しいコーヒーも飲めます!

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・展覧会HPはこちら→https://neco-sara.com/2026/03/24/kazenoiro/
・太田潤によるステートメントはこちら→

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