角背上製本(ハードカバー本)の作り方

こんにちはJUNOTAです。今回は角背上製本(ハードカバー本)の作り方を紹介します。

はじめに:角背上製本とは?

角背上製本とは、本の背の部分が平らになっている上製本(ハードカバー)の本のことです。

この本はどんな構造になっているのかを、最初に解説しておきます。
角背上製本の本は、「内側」と「外側」の大きく分けて2つのかたまりに分かれています。

内側のかたまりは、下の図のように、本文用紙と見返しが一つに束ねられています。

角背上製本の本文束と見返しの構造

そして外側のかたまりは、下の図のようにボール紙を表紙の紙でくるんだものです。
破線で示したのが、内側の塊です。

今回の記事で紹介するのは、大雑把にいうと、内側と外側を別々で作っておいて、最後に合体させる作業になります。

作例の紹介

実際の作業に入る前に、今回の記事でどんな本を作るのかを紹介しておきたいと思います。
今回作るのは、「詩画集 暮らしの実景」というタイトルの本です

角背上製本で制作したハードカバー本の完成例



この本は2026年5月に個展を開催した際に、販売した作品集です。
僕が描いた風景画に対して、そのギャラリーのオーナーが詩を付けてくださったので、二人の合作として、この本を制作しました。

右側に僕の絵があり、左側にオーナーの詩が載っています。

完成本の中身

最後に、本の寸法について書いておきたいと思います。
内側のサイズ:148×140×7mm
本の外側のサイズ:155×148×13mm

ページ数:88ページ

材料と寸法

次にこの本を作るのに使った材料とその寸法を紹介します。
・表紙用紙;TMKポスター紙(特厚口)、207×384mm、1枚
・本文用紙:モンテルキア81.5kg、297×140mm、22枚
・見返し用紙:NTラシャ(くち葉)100kg、297×140mm、2枚
・板紙(表紙/裏表紙):チップボール紙(2mm厚)、147×147mm、2枚
・板紙(背):チップボール紙(2mm厚)、147×12mm、1枚
・寒冷紗:30×135mm、1枚
・クラフト紙:10×135mm、1枚

寸法の計算には、自作の計算ツール【角背上製本の寸法計算ツール】を使いました

角背上製本の寸法計算ツール 
▶ツールを使ってみる

寸法の計算方法を知りたい方はこちらの記事をどうぞ
角背上製本の寸法計算方法|ハードカバー本のサイズの決め方
▶記事を読む

使用した道具

今回使用した道具は以下の通りです。
・カッターナイフ
・カッターマット
・定規
・竹ぐし
・クッキングシート
・小さめのこぎり
・重し(辞書)
・刷毛
・糊ボンド
・生ボンド


糊ボンドと生ボンドの違いについては、こちらの記事をお読みください
▶生ボンドと糊ボンド| ZINE作家による ZINE作家のための 製本術

作り方

前置きが長くなってしまいました。これから、具体的な作り方の解説に入ります。
次のような工程に分けて、できるだけ丁寧に解説していきます。

折り

汚れや紙にシワがないかをチェックしながら、本文用紙を折っていきます

そして、ページ順が正しくなるように重ねていきます。

とにかく折って重ねていきます。


見返し用紙も本文用紙と同じサイズにカットして、折り、本文用紙の最初と最後に重ねます。

見返し用紙に挟まれたこの束が1冊分の本文となります。

刷毛に水を含ませ、背の部分を軽く湿らせた後、重しを置いて30分ほど寝かせておきます。
こうしておくと、折り目がぴっしりとします。

30分後、重しを取り除きます。
紙同士がくっついている場合があるので、捌いて、1枚一枚がバラけた状態にしておきます。

内側を作る

次に内側のかたまりを作っていきます。
まずは、寒冷紗とクラフト紙、麻ひもを寸法通りに切り出しておきます


下の図のように本文束の前後を支えて、のこぎりで溝を作ります。

角背上製本の本文束の背にのこぎりで溝を入れる工程

溝は下の図のようにだいたい4本くらい作ります。深さは1~2ミリくらいです

背に生ボンドを塗ります。溝の中にもしっかり塗りましょう。

つぎに、適当な太さにほどいた麻ひもを溝に入れます。

もう一度生ボンドを塗ります

寒冷紗をのせ、もう一度生ボンドを塗ります。
網目の中にもしっかりと入れましょう

最後にクラフト紙を貼り付けます。

最後にクッキングシートでくるんで、背の部分をしっかりと擦ります。

重しを載せて、一晩乾燥させます。


これで内側は完成です。

外側を作る

次に外側のかたまりを作っていきます。
まずは、寸法通りに板紙を切り出します。

表紙の用紙も切り出します

表紙の裏面に糊ボンドを塗り、線に合わせて板紙を置いていきます。

長手の側から包みます。
この時に、クッキングシートごと折るときれいに包めます

長手が包めたら、角の部分を爪で押さえておきます。

短手側も同様に包みます。

板紙を表紙用紙で包んでハードカバー表紙を作る工程

ひっくり返して、クッキングシートを重ねて、しっかりと擦ります

これで外側も完成です。

合体させる

さて、やっと最後の工程にたどり着きました。あと少しです。

溝の部分を抑えてクセを付けてあげます。
今回の表紙の紙は分厚いので、念入りにクセ付けを行いました。
写真にうまく映っていなくてすみません…

溝の部分に生ボンドを入れます

外周に3ミリずつチリができる位置に本文を置きます。
本の上下と表紙の上下があっていることを必ず確認してください!

見返しに糊ボンドを塗ります
見返しの間にクッキングシートを入れとくと本が汚れないのでおすすめです。
ボンドを塗り終わった後で、新しいものに取り換えておくとさらに良いです。

見返しを貼って本文と表紙を合体させる工程

溝の部分をなるべく浮かせないように抑えたまま、本をぱたんと閉じます。

裏面も同じように糊ボンドを塗って、ぱたんと閉じます。

両側の見返しを貼り付けたら、本を軽く開いて、見返しを軽く擦ってシワを伸ばしておきます。

溝に竹串をはめます。

重しを載せて一晩乾燥させます。

翌朝、重しを取り外してみます。

きれいにできています。

最後に表紙の窓に絵を入れてあげます。

ついに完成しました!
わーい


おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を参考にして、皆さんもぜひ角背上製本のハードカバー本を作ってみてください!

本のサイズを変えて作りたい場合は、先に「角背上製本の寸法計算ツール」で板紙と表紙紙の寸法を計算してから制作を始めるのがおすすめです。

【角背上製本の寸法計算ツール】
▶ツールを使う




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この記事を書いた人

1991年生まれ、埼玉県出身
2020年に岐阜県に移住。絵を描いたり、文章を書いたりしています。制作物を自主制作の本にまとめて発表しています。キーワード:アート、油絵、小説、エッセイ、詩、手製本、ZINE

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