寒くなってきたからか、何かと忙しかったからか理由は分からないけれど、ここ数日何なんとなく元気が無かった。今日は久しぶりに予定が何もなく時間がぽっかりと空いていたので、石油ストーブを焚いてその上にアルミホイルに包んだサツマイモを乗っけて石焼き芋を作りつつ、その横で藤子不二雄の「まんが道」を読んで過ごした。しばらくして眠くなったので2階に上がって夕方まで眠った。起きてもまだあまり気分は晴れなかった。なんだかやりたいこと、作りたいものは沢山あるはずなのに、何から手をつけていいか分からない状態だ。いつも思うけれど、やりたいことが沢山ある状況とやりたいことが何一つない状況というのは結構似ている。やり始めては別のことに気が向いて放り出して、というようなことを繰り返すうちに何一つ掴めないまま時間が過ぎていく。
とりあえず出来ることをやろうと思って、作品集の印刷作業を進めた。印刷の様子をみながら、「まんが道」の続きを読む。庭文庫の展示で僕のおすすめ本のコーナーを作ってみない?とMさんに言われたので、何冊か選んで読み返してみている。「まんが道」もその中の一つだ。やっぱり面白いと思う。ここには人間の弱い部分というか決して胸を張れないような部分が描かれている。そういうものを抱えながら道を歩いていくAさんとFさんの姿がある。怠けたい気持ちや、嘘や見栄、だらしなさ、そういうものを隠さずにそれと共存する形で存在する情熱というものはなんだかとても身近で本当のような感じがする。
おもむろに目の前の棚に置いてあるスケッチブックを開く。描かれているのは絵を描いたときの余りの絵の具で描いたミニドローイングたちだ。ぱらぱらとページをめくっていると、色々なイメージが湧いてくる。このドローイング集はイメージの種のようなものだ。このイメージをもう少し大きなタブローで描いてみたいと思った。ドローイングでなくペインティングにしてみたいと思った。ミニ・ドローイングを見ながら、これは人に見える。背景はこんな感じ。ここには猫がいるように見える・・・云々。そうやっていると突然に力が出てきたような気がした。そろそろ印刷も区切りのよいタイミングなので、少し絵を描いてみようかなと思う。
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