前回の記事では、フラッシュ家具とはどのようなもので、どのような構造で作られるものなのを解説しました。
今回の記事では、フラッシュ家具はどのような性質があって、フラッシュ構造で家具を作ることにはどんなメリット・デメリットがあるのかについて解説していきたいと思います。
◼️3つのメリット(個人の見解です笑)
フラッシュ構造で家具を作るメリットをまず、ご紹介します。僕の個人的な見解ですが、次の3点にまとめることができるかとおもいます。①安価に大きな面材を作ることができる。

フラッシュ構造で家具を作る利点はまず、何と言っても「安く大きな面を作れる」ということです。
例えば910mm×1820mm(3尺×6尺)といった大きなサイズの板について考えてみます。
無垢にこだわれば何万も何十万もしてしまいますが、フラッシュパネルであれば、安く作ろうと思えば数千円で作ることができます。
②軽い

③反りや捻れが起きにくい
また、フラッシュ家具の材料である合板は反りや捻れの少ないという性質をもちます。そのため、それを組み合わせて作るフラッシュパネル、フラッシュ家具もまた反りや捻れが少なくなります。反りや捻れが少ないと加工の難易度がめちゃくちゃ下がります。
フラッシュ構造で家具を作る利点はおおよそ以上3つのようにまとめることが出来るかと思います。
あとひとつ追加するとしたら、材料を安定的に手にいれやすいということも言えるかと思います。
心材として使うラワン合板やMDFはホームセンターでも買うことができます。その上に貼るラワン合板もホームセンターで買えます。
(参考)フラッシュ家具の心材はどんな材料を使うのがベストなの?素材を比較してみた。
仕上げの突板(つきいた)だけはネットで買うことになってしまうかもしれませんが、仕上げを「シナ合板+塗装」にすればこれもホームセンターで手にいれることができます。
なので、ぜひぜひ皆さんフラッシュ家具の製作にチャレンジしてみてください。
◼️デメリット
では、デメリットは何があるのか?というと次の2つだと僕は考えています。①「偽物だ」と言われる
まず、「そんなの偽物だ」と言われます笑なんとなく、無垢が「真」でフラッシュ家具は「偽」という雰囲気があります。
たしかに、表面だけ見映えをよくして中身は合板ですからそう言われるのも分からなくはないのですが、僕個人の考えとしてはどっちがいいとか悪いとかはない、と考えています。
たしかに無垢の木は独特の塊感というか、中身まで本物、という感じがして大好きなんですが、一つひとつ個性があって反りや狂いも大きく製作の難易度が高くなります。(それを上手く読んで形に落とし込むのが「技術」ということなのでしょうね)。
そして大きな幅広な材を手にいれようと思えば、やはり高価になります。木工作家が無垢の材の魅力的な面ばかりを前面に押し出していることで、ちゃんとした木工品は無垢材でつくられていて高価、フラッシュ家具は偽物で安物というイメージが生まれてしまっているという側面もあるように思います。(あくまで僕の個人的な見解です。)
フラッシュ家具にも先ほど書いたような利点があって、それにはそれの良さがあるわけですね。どちらが本物だとか偽物だとかいうではなくて時と場合に応じて使い分けるものかなと思います。
②木屑がつらい。
「フラッシュ家具は何でできているか?」とた言われれば、主に合板でできていると言えます。合板は単板を貼り合わせたものですから、当然ですが接着剤を使っています。その接着剤は場合によってはシックハウス症候群の原因となる物質を含むことがあります。
・合板とは?
・単板とは?
・シックハウス症候群とは?
ですから製作時に出る木屑にも多量の接着剤が含まれていると言えるでしょう。
これは個人的な感覚なので話し半分で聞いて欲しいのですが、その木屑は無垢の材を加工したときに出る木屑よりもつらいなぁ、と思います。くしゃみも出るし、頭もいたくなる。それが接着剤のせいなのかどうなのかは良く分からないけど、なんとなくそうなんじゃないかなと思っています。その辺りについては僕は良く分かりません。
よくわからないけれど、フラッシュ家具の製作時には接着剤を含む木屑を吸い込むことになるということはおそらく間違いのないことですので、健康に何かしらの影響があるかもしれない、と言うことを理解した上で製作に取り組むのが良いかなと思います。
以上、フラッシュ家具の優れた点(メリット)と劣る点(デメリット)を僕なりにまとめてみました。参考になれば幸いです。
猫の皿 太田
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