木材置き場でそれを見つけて、何となく気にかかったので僕は立ち止まる。
それは無造作に立て掛けられた何てことない1枚の合板だ。木材をカットする時に下敷きとしていたもので、板の表面には丸のこの刃幅の切り込みが無数に刻み込まれている。
どうしてこんな板切れに興味がひかれるのだろう、と不思議に思ったけれどすぐにその理由は分かった。
丸のこの刃で描かれた直線が何ともいえないバランスというか、アンバランスさで板を分割していて、それが絶妙に「構成的」だったからだ。
全くの無作為にできた図像を構成的と呼ぶのはおかしな気もするけれど、僕が発見した時点でそれは既に完全に構成された1枚の絵画だった。
絵筆を手に取り、分割された画面を塗り分けてみる。木の質感を残すように薄めに、それでも全体の構成を際立たせるような鮮やかさを保った色を探る。
色を塗ってみると当初の均衡が崩れて間延びしてきたので、トリミングして4つのパーツに分割した。
これは4枚のうちの一番大きいパーツ。
無作為に生まれたもののなかに美しさらしきものを見いだして、それを恣意的に構成をし直すという実験。
構造用合板/油絵具
約390×390×17(mm)
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線と色による構成 No.1 | 猫の皿 powered by BASE
木材置き場でそれを見つけて、何となく気にかかったので僕は立ち止まる。それは無造作に立て掛けられた何てことない1枚の合板だ。木材をカットする時に下敷きとしていたもので、板の表面には丸のこの刃幅の切り込みが無数に刻み込まれている。どうしてこんな板切れに興味がひかれるのだろう、と不思議に思ったけれどすぐにその理由は分かった。...
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